誰かがつくった音楽を受け取るだけでは足りない。
もっと違う音のあり方があるはずだと考えることはありませんか。
宗教が世界の意味を支えていた時代は終わり、科学がそれに取って代わった神なき時代、私たちは音楽家にカリスマを求め、“絶対的な音”に熱狂してきたのかもしれません。
けれど今や、誰もがネットを通じて作品を発表できるようになった時代。
音楽家が目指すべきゴールは、すでにそこにはないのかもしれません。
自分の耳で世界を聴き、自分だけの方法で音楽をつくり世界に発信する敷居は下がっています。
そんな時代に向けて、5月24日、御茶ノ水・リットーベースにて音楽とは何かを考えなおすワークショップ『Proto Music Lab』を開催します。
ジャンルでも技法でもなく、「音を音楽にするとはどういうことか?」を問い直す機会になります。
参加者の楽器の技術、理論の前提知識は必要ありません。
音楽をはじめたいと思っても、何から手をつければいいのか。どう学べばいいのか。
それは人によってまったく異なるため、ネットをいくら探しても、はっきりとした答えが見つからないことがあります。
誰にでも当てはまるチュートリアルや教科書が、そのまま創作の糧になるとは限りません。
作曲とは「自分にとって音楽とは何か」を問うきわめて個人的な営みだからです。
このワークショップでは、ジャンルや様式の技術を学ぶ前に、そもそも「音を聴く」とはどういうことか?「音楽をつくる」とは何を意味するのか?作曲や音楽の手前にある、根源的な問いから始めます。
プレゼンターは作曲家・アーティストの松本昭彦。
参加者一人ひとりが、自分自身の耳と感覚に立ち返ることを通して、まだかたちになっていない音楽の種を見つける手助けをします。
<開催概要>
日程:2025年5月24日(土) open 13:45 / start 14:00 (3時間程度を予定)
アーカイブ配信期限:2025年6月28日(日)23時まで
出演:松本昭彦
会場:御茶ノ水RITTOR BASE ( Google Maps )、配信あり
主催:Ableton and Max Community Japan / リットーミュージック
フライヤーデザイン:Hina Nakamura (https://www.instagram.com/hina.nmmm/)
<主なトピック>
・音楽はどこまでが「音楽」なのか
・聴くこと・演奏すること・つくることの関係
・オリジナリティとは何か、それは必要なのか
・なぜ「音楽の常識」は西洋的なのか
・音楽は誰のものか – ポスト植民地主義から考える
<こんな人におすすめ>
・音楽をつくってみたいけれど、何から始めればいいかわからない方
・美術・映像・デザイン・プログラミングなど、他ジャンルから音楽に興味を持っている方
・自分の作った音が「音楽」と言えるのか不安を感じている方
・作品を“完成”させることに壁を感じている方
・音を通じて、創作をもっと自由に楽しみたい方
<参加に必要な持ち物>
持ち物は不要です。思考していただくことを中心に企画いたします。
*今回の#062のチケット(会場参加/配信)をお申し込みいただいた方は、生成音楽に関する下記過去回を5/1〜6/28までの期間限定で視聴可能になります。
#011「作曲 VS 生成音楽」
#022「生成音楽2〜ポストミニマリズム」
視聴は「イベントに参加」ページの「主催者からの案内」に掲載したリンクをクリックしてください。
参加者へのメッセージ
私が大学・大学院時代に専門にしていた「アルゴリズム作曲」は、音楽そのものを構成するルールや形式を、自ら設計していくという方法論です。
作曲とは、自分にとって音楽とは何かを定義するところから始まります。
今回のワークショップでは、私自身の作品やプロダクトを紹介するのではなく、これまで様々な場で学び、考えてきたことをもとに、みなさん一人ひとりが“自分だけの音楽”を見つけていく手助けができればと考えています。